先日も昇段審査に向けて気合いの入った稽古が行われておりました。
みんなだいぶ仕上がってきております(^^)
ふと見ると道場生の刀袋に高杉晋作ストラップが。
この高杉は夜道で反射して目が光るタイプでしょうか?
高杉晋作は江戸時代後期、長州藩の尊王攘夷の志士として活躍した人物。
有名な奇兵隊は彼が創設したものです。
高杉は長州では柳生新陰流を、江戸に出てからは江戸三大道場の一つ、練兵館で神道無念流を修行したそうです。
幕末ヒーローズには剣術を修めた者が多くいました。
一例を挙げると、坂本龍馬は北辰一刀流、武市半平太は鏡新明智流、桂小五郎は高杉と同じく神道無念流、勝海舟は直心影流、など。
それで思い出したのが福澤諭吉。
志士ではないですが江戸末期から明治期に活躍した蘭学者で、慶應義塾を創設した大教育者。
言わずと知れた一万円札の人。
健康のためと称して晩年まで居合を稽古していたそうですが、実は福澤、かなりの達人だったとのこと。
流派は立身新流居合術。
福澤は刀の柄に箸を立てて、それが落ちる前に鞘を払って2つに斬る、といったことができたそうです。
また、歌舞伎の名優・五代目尾上菊五郎は福澤と親交があり、福澤から刀を抜く呼吸についていろいろ聞いたりしたとの話もあるようです。
民弥流居合術宗家の黒田鉄山氏(1950~)は、かつて福澤の立姿の写真をみた時の感想を「その出来上がってしまっていることといったら、とても近づくことの出来ない凄いものでした」と述べています。
写真の立姿から力量を測ることができるというのも凄い話ですが。
しかし福澤自身は生涯人を斬らず、動乱期に暗殺されかけてすげぇこわかったみたいなことを自伝に書いています。
以前、大阪市立美術館の展示で福澤の居合刀を見たことがありますが、重量感のある大ぶりなものでした。
いっしょに展示されていた「居合数抜記録」によれば一日千回抜刀を行うこともあったようです。
170cm以上あったという当時としては大柄な身体に居合術と、蘭学を修めた明晰な頭脳。
福澤諭吉、かなり迫力のあるおっさんだったと思います。